哲学猫
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あまりに記事投稿が困難なため 一時引っ越しました。 http://tetugakuneko.blog10.fc2.com/ こちらへどうぞ

ハイデガー「存在と時間」32節、世界を理解

世界を理解するダーザインや 42

浮浪者:本物ダーザインは世界を理解するんやがそれは常に何かの可能性に向かってなされるんや。


猫:病気を理解しワクチンをつくるゆうようにやな。


浮浪者:せや、本物ダーザインは世界をその可能性のためにあると考える。例えば車を修理する機械工は車のエンジンの中にあるものが全て車が走るためにあると考えるところから出発するんや。


猫:せやなかったら車直されへんもんなぁ。


浮浪者:そうやな、ここで機械工はエンジンの中の全ての部品に意味を与えると言える。


猫:確かに何にも知らん人にはただの鉄の塊やが機械工にとっては全ての部品に意味があるなぁ。


浮浪者:車は走るためにあるという意味がなければそれにまつわる全ての部品の意味もなくなるというわけや。

このようにして本物ダーザインは世界に意味づけをしてそこからその世界の部品にあたるそれぞれの物を見る。物の意味はそれを探すダーザインから来るんであって物の中にあるのではないんや。


猫:探さなければ見つけることもない、確かにこれは真実かもしれん。


浮浪者:そうや、こんにゃくがダイエットに効くと言う時、そのダイエット効果という意味もこんにゃくの中にあるんではなく、ダイエットに効くものを探しておった食料品会社のダーザインの中にあるゆうことや。


猫:せやな、こんにゃくの方から私はダイエットに効きますとはこんからなぁ。


浮浪者:そこでダーザインが世界の物事を理解する時はいつもその裏に全てを包括する意味があると言えるやろ。


猫:意味を見出してそこから芋づる式に物ごとを考えるやったな。


浮浪者:せや、世界を理解するという行為の裏には常にダーザインが意味づけをしておるんや。


猫:しかしなぁ、それやったら科学はどうなるんや?科学は世界を客観的に理解するんであって一人のダーザインの意味づけに基づいているとは言えんやろ。


浮浪者:そこや。ハイデガーはこう言っておる。

「数学も歴史より厳密な学であるというわけではない」と。


猫:数学も歴史も意味づけの仕方が違うだけで両方ともダーザインによる世界理解という点では同レベルやゆうことかな?


浮浪者:そういうことやな。


上流階級クラブ

お待ちしておりました

ある日私は招待状を受け取った。

「上流階級クラブ」

と書いてあった。

ビルの最上階に着くとホテルのボーイ風の男が私を出迎えた。




















ははははは

出席者の顔ぶれはというと有名人、スポーツ選手、大富豪とその名の通り上流階級に属する人々ばかりであった。



















乾杯

私はカクテルを片手に手持ち無沙汰でいると一人の着飾った夫人が近づいてきた。

乾杯!

少し酔っているのか陽気に話しかけてきた。

あなたは何をなさっているの?

私は物書きだと言うと、

じゃあベストセラー作家ね!

と言う。

私はまだ売れない三文文士だと言うと

あなたにはここにいる資格は無いわ!

と不機嫌になり私から離れていった。




















誠に申し上げにくいのですが・・・

確かに私のどこを探しても上流階級という言葉にあてはまる要素は見つからなかった。

何かの間違いか?

私はその場の責任者らしき男に尋ねた。

どうして私が招待されたのか?

まことに申し上げにくいのですが貴方のような方が上流階級の方々には必要なのです。上流階級の方々が貴方とご自身を見比べて、よりご自身の価値を実感していただくため・・・

ハイデガー「存在と時間」30-31節、本物ダーザインマン

可能性に向かって飛んでいく! 41

浮浪者:悲しい、うまくいかんという感情の中で贋ダーザインの仮面が剥げ落ちると言った。ここでこの悲しいという感情をもっとよく見てみようと思うんや。


猫:ほいほい。


浮浪者:悲しいという感情がある、しかしその前には何がある?


猫:悲しい前にはうれしい!


浮浪者:まあ、そう簡単にはいかんのが人生やで。日常の中で悲しい、うれしいの前には怖いちゅう感情があるやろ。


猫:怖い怖いゆうてそのあと悲しいって、なんか悲劇やな。


浮浪者:怖いゆうて例えばな、風邪ひいたらかなわんから予防注射をする。ここで風邪は怖いものやといえる。これやったら怖いのあとに風邪をひかんからうれしいがくるやろ。


猫:なるほどな、人間は怖いものがあるからそれを乗り越えようとして、それを達成したときうれしいとなるんやな。


浮浪者:せや、われわれは常に世界から脅しをかけられとるんや。夏には暑く冬には寒い、ちょっとでも油断すると病気になったり苦しんだりする。


猫:たしかにこの世界は天国ではないなぁ。


浮浪者:そうしたらこの怖いちゅうのを乗り越えるのには何をしたらええのかいなぁ?


猫:まあ、さっきの予防注射のように先手を打つ必要があるやろなぁ。


浮浪者:でもどうやって先手を打つんや?


猫:そりゃまあ、偉い人がワクチンを発見してやねぇ・・・


浮浪者:どうやって発見したん?


猫:そうなぁ・・・んー、そんなんわしに聞かんといてぇな。わしは知らんわ。


浮浪者:あんたは知らんがその偉い人は知っているんと違うか?


猫:そりゃそうやで、発見したんやからどうやって発見したか知ってるやろ。


浮浪者:そこや、怖いものを前にしたとき、知るというのが大切やということや。ワクチンを発見した偉い人はその怖いものである病気を良く知りそしてそれに対して解決策を見つけたゆうことや。


猫:たしかにまず敵を知ることが大切っちゅうからなぁ。


浮浪者:しかしなぜ人間はこの怖いという感情を乗り越えていこうとするんや?


猫:われわれ猫は怖いものが出てきたら逃げるが勝ちと考えております。


浮浪者:せや、そこで人間はその怖いものを知ろうとするそして乗り越えようと努力するんや。なぜならそれが出来ると考えるからや。


猫:そうやってあんたらは月にまで行ってんな。


浮浪者:そうや、それが人間、つまりほんもんダーザインの「存在そのもの」であるんや。

ほんもんダーザインは常に可能性に向かって自分を投げ出していく。誰かがあんたはこんなもんやと言おうとする時、ほんもんダーザインはいつも「いやおれはもっとすごいもんや」と言おうとする。


猫:そしたらダーザインの「存在そのもの」というのはこれやと断定できんのやな。それはいつも可能性に向かって動いとるんやから。


浮浪者:せや、世界を知ることによって問題を解決し自分自身の可能性を拡げていくそれがほんもんダーザインの「存在そのもの」や。


猫:ほー、カッコよろしいな。


キノコ

あっ、おいしい

あるところにキノコが生えた。

食べてみるととてもおいしかった。




















みてください!

そのキノコはとってもとってもまた生えてきて

放っておくとどんどん伸びた。




















新しい共生の形

キノコはどんどん伸びて宇宙にまで達した。

やがてキノコは地球よりも大きくなって

人間たちはキノコの中に暮らすことになった。

太陽は失ったがキノコの中の生活は快適だった。

暑くも寒くもなく、食べ物のキノコは尽きることが無かった。




















ん!?

そんなある日、男は自分の頭にキノコが生えているのを見つけた。

男はゆっくり目をつぶるとそのまま動かなくなった。



ハイデガー「存在と時間」28-29節、世界を考える

ほんまもんや 40

猫:ほんもんダーザインゆうてどんなんやろね?

 

浮浪者:ほんもんダーザインを見つけるには贋の仮面をはがさねばならん。

 

猫:しかしどうやってやるんや?

 

浮浪者:まず贋ダーザインをよっく観察することやで。贋ダーザインとはどういう生き物や?

 

猫:前回「公共性」ちゅうことを言っておったなぁ。つまりみんなと同じように生きていこうという人のことやないか?同じかっこうに同じ髪型、これが贋ダーザインのしるしや。しかしこんなん人の勝手や無いか?みんなと同じ格好しようちゅうのもその人の自由やで。そこでこれが贋やなんやとちゃちゃいれるのはなんやと思うがなぁ・・・

 

浮浪者:せや、実はな贋ダーザインゆうて同じ格好すること自体を批判しとるんではないんや。贋ダーザインが贋なんは他人と同じ格好するという表面的なことのせいではない。贋ダーザインが贋なんは自分が世界のへそであることを忘れて、公共性というすでにつくられた世界が自分の世界やと思いこんでいることにあるんや。

 

猫:たしかにネクタイをするんでも学生服を着るんでも自分が何かをやってやろう、自分の世界をつくってやろうという時には単なる社会のお仕着せにはならんかもしれんなぁ。

 

浮浪者:そうや重要なんは外見やない、その奥にある自分の世界なんや。

 

猫:しかし自分の世界ゆうてこの社会ではなかなか難しいでぇ。小さいころからああしろこおしろと言われて育った子は社会の価値に沿って生きるのが自分の生き方やと思い込んでしまうからなぁ。自分の世界をつくるよりも他人の世界である「公共性」の中で出世したほうが楽やからね。

 

浮浪者:そう、世界はこの「公共性」によって隠されておるんや。

 

猫:そしたらどうやってそれを暴き出せばええんや?

 

浮浪者:そこや、ハイデガーはそれは感情の中に現れると言う。

 

猫:感情ゆうてうれしい、悲しいちゅうやつか?

 

浮浪者:せや、考えてみい、人はどうしてうれしかったり、悲しかったりすんのやろ?

 

猫:そりゃまあ、何かがうまくいってるときはうれしいし、それがうまくいかんようになったときは悲しいやろな。

 

浮浪者:例えば給料が上がればうれしい、下がれば悲しいちゅうことか?

 

猫:せや。

 

浮浪者:しかし何で給料が上がるとうれしいんや?

 

猫:そりゃその金で好きなこと出来るからやろ?

 

浮浪者:そしたらサハラ砂漠の真ん中では給料が上がってもうれしくないちゅうことやな?砂漠のまんなかでは金なんか通用せんで。

 

猫:せや、金が通用せんところでは給料なんかうれしくない。

 

浮浪者:そこや、ある人が何かをうれしいと思うときその感情はその人の世界を現しているんや。都市生活では金、砂漠では水、食料があることがうれしいという感情の原因になる。

 

猫:猫に小判か。たしかに札束見せられてもわしは何も思わんもんな。

 

浮浪者:ここでまた考えてみぃ。うれしいと悲しい、どっちの感情が人間にとって根本的か?

 

猫:んー、うれしいほうがええけど根本て言われたらなぁ。んーどっちやろ?

 

浮浪者:ここで、うれしいという感情は自分の今いる世界の世界性を忘れさせると言える。例えば砂漠の真ん中で水があるときは砂漠という世界の本質つまり水も食料もないちゅうことについて考えることはない。ところがいったん水筒の水、食料の蓄えが切れるとそのことについて考えざるをえない。ここで悲しいという感情がより根本的な感情やと言えんか?

 

猫:なるほど、たしかに人はうれしい時、物事がうまく言っているときにはあんまり考えたりせんもんなぁ。それが無くなって初めてそのありがたみがわかる。

 

浮浪者:せや、人間は失敗した時に何で世界はこんなんなんやと疑問を抱く。受験や就職やゆうてうまくいってるときは何も考えんがこれが行き詰ったとき一体そんなもんがわしにとって本当に大事なんかと自分に問いはじめる。

 

猫:たしかになぁ。

 

浮浪者:そしてこの自分の存在について考える存在・・・

 

猫:ああ!自分の尾を咬む蛇や!

 

浮浪者:せや、これがほんもんダーザインや。贋の仮面はこの悲しい、うまくいかん、という感情の中で剥がれ落ちるんや。

 

猫:いよいよ本性をあらわしたな!


メッセージ

何をしているんですか?

砂浜になにやらバレーボールのネットのようなものが立っているのを見つけた。その横に男がいすにすわっているので私は話しかけた。




















いやぁメッセージをね

何をしているんですか?

ははは!

何をってメッセージを待っているんです。

メッセージ?

そうメッセージ。




















かかった!

すると男は突然立ち上がり横に置いてあったむしあみのようなものを取って上を見た。

かかった!

見るとネットには一羽の鳩がかかっていた。

バタバタバタバタ

男は網でその鳩を捕らえると足についていた紙切れを取って熱心に読み始めた。

ああこれは僕あてじゃない。

そう言うとまた紙切れを鳩につけ空に放った。




















北の国へ・・・

次の日同じ場所を通ると男はいなかった。

ネットの柱になにやら書き置きがしてあるので読んでみると・・・

メッセージを受け取ったので北の国へ旅立ちます。

もしあなたがメッセージを待っているならこのネットとあみをあなたにあげます。

さようなら。

私は椅子に座るとタバコに火を点けた。


ユーターン

一人夜のドライブへ

私は星の夜ドライブを楽しんでいた。

国道には他の車は無く、一人孤独な気分に浸っているそのとき

突然引き返さなくてはならないという不思議な気持ちに襲われた。




















ユーターン禁止?

ユーターン禁止?

構うものか、どうせ誰もいない。




















ああ!?

私はユーターンし前を見るとあっけにとられた。

私の前で道は途絶え

その先には断崖絶壁があるばかり。

さっき通ってきた道がなくなっている・・・




















んん!?

私は急いでもう一度ユーターンする。

するとまた断崖絶壁。

なんということだ、私は絶壁に挟まれた薄っぺらな世界に取り残されてしまった!

私は車を降りると助けを求め歩き始めた。

一本の線のようになったこの世界が消えてしまわないよう祈りながら。


もくじ

もくじです。別ページでひらきます。

  一、「哲学者とは誰のこと」へ行く。
  二、「詭弁家、雄弁家」へ行く。
  三、「真実」へ行く。
  四、「考えるもの」へ行く。
  五、「デカルト病院」へ行く。
  六、「トマスホッブス」へ行く。
  七、「ビュリダンのロバ」へ行く。
  八、「スピノザ機械人形」へ行く。
  九、「スピノザはんええ加減にせんとどつくよ」へ行く。
  十、「世界はアナログ?」へ行く。
  十一、「ライプニッツの小さなお化け」へ行く。
  十二、「モナドな世界」へ行く。
  十三、「カント感覚スーツ」へ行く。
  十四、「実践カント」へ行く。
  十五、「カントなハーモニー」へ行く。
  十六「自由は解放じゃ」へ行く。
  十七「自由競争社会?」へ行く。
  十八「仕事によって自分をつくる」へ行く。

  十九「ヘーゲルの寒天神様」へ行く。   

  二十「逆さま世界」へ行く。   

  二十一「存在と時間」へ行く。  

  二十二「ハイデガー「存在と時間」一から四節」へ行く。  

  二十三「ハイデガー「存在と時間」五、六節おたまじゃくしは蛙の子」へ行く。

  二十四「ハイデガー「存在と時間」七節、現象仮面」へ行く。

  二十五「ハイデガー「存在と時間」九節、贋ダーザイン」へ行く。

  二十六「ハイデガー「存在と時間」10-11節、ダーザイン餃子」へ行く。

  二十七「ハイデガー「存在と時間」12-13節、世話好きダーザイン」へ行く。

   二十八「ハイデガー「存在と時間」14節、世界のへそ」へ行く。

   二十九「ハイデガー「存在と時間」15節、お手ごろ世界」へ行く。

  三十「ハイデガー「存在と時間」16節、お手ごろ世界にお手上げ 」へ行く。
  三十一「ハイデガー「存在と時間」17節、世界のしるし」へ行く。

  三十二「ハイデガー「存在と時間」18節、芋づる世界 」へ行く。

  三十三「ハイデガー「存在と時間」19-21節、垣根のブラックホール」へ行く。

  三十四「ハイデガー「存在と時間」22節、世界の距離」へ行く。

  三十五「ハイデガー「存在と時間」23節、右か左か?」へ行く。
  三十六「ハイデガー「存在と時間」24節、数学世界は右上がり」へ行く。

  三十七「ハイデガー「存在と時間」25節、寂しがりやダーザイン」へ行く。

  三十八「ハイデガー「存在と時間」26節、他人は心づかいの中」へ行く。

  三十九「ハイデガー「存在と時間」27節、凡庸なるひとびと」へ行く。

  リンク。
  哲学漫才ひろ・そう・ふぃ!に行く。
  ミスターニヒルへ行く。
  夢へ行く。

ハイデガー「存在と時間」27節、凡庸なるひとびと

誰もが誰でもない誰か 39

浮浪者:ところでなダーザインとは誰のことやった?

 

猫:いままであんたずっとダーザインはわしらのことやといってたやん。

 

浮浪者:せやで、ダーザインとはわしらのことや、しかしな前回見たようにダーザインの中に他人が居る。ということはこの「わしら」ゆうのは「わしら」自身のことではなく、他人に向けられた「わしら」つまり「ひとびと」のことではないんか?

 

猫:んんんっ??何をゆうとるんや?

 

浮浪者:説明しよか。まずわしが居るわなぁ。そしてこのわしは他人を含んで居る。つまりいつも他人のことを考えておる。例えば電車に乗ったりするときなぁ、わしはすっぱだかで寝っころがっておられんやろ。なぜならわしは他人を意識しているからや。しかしここでこの他人とは誰のことやろ?

 

猫:まあ周りの人やろな。周りに居る誰かや。

 

浮浪者:他人とは誰でもいい誰かのことやないか?

 

猫:せや。

 

浮浪者:わしはこの誰でもいい、つまり誰でもない誰かによって縛られとる。こんな風に言えんか?

 

猫:それが人間や、いつも他人の目を気にしとる。わしら猫はそんなんお構いなしやで。

 

浮浪者:せやな。これが人間の日常生活の凡庸さや。このなかでは全て奇抜なものは避けられる。出る釘は打たれるや。そして全ては凡庸なものになる。このことをハイデガーは「公共性」と名づけた。

 

猫:公共の場に出る時はネクタイして髪をとかさんとあかんちゅうやつか?

 

浮浪者:せや。そしてこういう他人の目を気にしとる「わし」が集まって出来る「わしら」が「ひとびと」になるんや。つまりわしは「ひとびと」が着る洋服を着、「ひとびと」が笑うように笑う。ここではわしはわし自身でなく「ひとびと」の一員である他人になるんや。

 

猫:ダーザインとはなんとも複雑やなぁ。自分が他人になるやて。

 

浮浪者:しかしこのダーザイン本当に本物かちゅうところが問題や。

 

猫:ほう。

 

浮浪者:たしかにこの「公共性」の中で生きとる「われわれ」が一番最初に目に付くダーザインや。しかし最初に出てくるものがほんもんとは限らんで。

 

猫:たしかに残りもんには福があるというからなぁ。

 

浮浪者:せや、ハイデガーはこの「公共性」の中に生きる凡庸なダーザインを贋ダーザインやと言っておる。そしてその贋ダーザインの裏にほんもんダーザインが隠れておると考える。

 

猫:現象仮面やな。

 

浮浪者:そのとおり。ほんもんダーザインとはまずこの贋もんとは違うということがわかった。ではほんもんとはどんなやろか?

 

猫:はて?


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